喘息について

 

喘息とは

 

ここでは気管支喘息について紹介します。

アレルギー反応や細菌ウイルス感染などが引き金となって気管支の炎症が慢性化した結果、気道過敏性の亢進と可逆性の気道狭窄を起こし、発作的な喘鳴や咳などの症状を特徴とする呼吸器疾患です。

うっ血性心不全でも喘鳴や呼吸困難の症状がみられることがあり、これを心臓喘息と呼ぶこともありますが、気管支喘息とは異なる疾患です。

幼児期に発症することの多いアトピー型と40歳以上の成人発症に多くみられる非アトピー型があります。

 

原因と症状

 

自動車の排気ガス、タバコ、工場の煙等の環境刺激因子や寒気、運動、ストレスなどの種々の刺激が引き金となって、これらに対する過敏反応として気管支平滑筋、気道粘膜のむくみ気道分泌亢進など起こり、その結果、気道の狭窄・閉塞が起こます。

気道狭窄によって、喘鳴(喉のヒューヒューという高い音)や息切れ、咳、などの症状が起こります。喘息発作時にはこれらの症状が激しく起こる結果、呼吸困難や過呼吸、酸欠、体力の激しい消耗などを起こし、時には死に至ることもあります。かぜをひくと症状がひどくなることも多いです。

アトピー型の喘息は、細菌やウイルス感染、過労、ダニや花粉、カビなどのハウスダスト、食物、薬物などのアレルゲン、さらに、運動タバコアルコール気圧変化などさまざまな原因で起こります。

一方、非アトピー型の気管支喘息の原因はまだはっきりしていません。

診断

笛声音が発作時に聴診されることが多いですが、必ず発作時に喘鳴が聴取されるとは限りません。症状は気候や時間帯によっても変化します。
ひどい時には呼吸数増多やチアノーゼがみられることもあります。
気道可逆性試験
β2刺激薬吸入前後、あるいは2-3週間のステロイド内服・吸入前後で呼吸機能検査を行い、1秒量が200ml以上かつ12%以上改善した場合に気道可逆性ありと診断します。
ただし、検査時に喘息発作が起きていない場合、気道の可逆性を証明できないこともあり、このような場合には自宅にピークフローメーターを持って帰ってもらい、ピークフロー値に20%以上の日内変動がみられた場合も気道可逆性ありと診断します。
スパイロメトリー
スパイロメーターを用いて、気道狭窄による呼気の排出速度の低下を測定します。
大きく深呼吸してできるだけ吸い込んだ状態から一気に吐き出した時に、初めの1秒間に吐き出せすことができた空気の量(1秒量)が肺活量(肺が吸い込める最大の空気量)の75%以下であれば「障害あり」と判定します。
血液ガス分析
喘息発作時の酸素分圧や二酸化炭素分圧の低下を測定します。しかし、気管支狭窄・閉塞が高度な場合には逆に、肺胞低換気を反映して二酸化炭素分圧は上昇することもあります。
胸部X線写真
通常は異常を認めませんが、喘鳴や気道狭窄を起こす腫瘍や肺炎、慢性閉塞性肺疾患心不全などの他の疾患を除外するために行われます。
血液検査
末梢血中好酸球の増加や非特異的IgE値の上昇を調べます。
また、アレルゲンを特定するために、アレルゲン特異的IgE抗体を測定します。
病理学的検査
気管支壁への好酸球浸潤や平滑筋の肥大を調べます。
専門的検査
コントロール不良例では、肺機能の評価、気道過敏性の試験の他、人工気象室での発作程度の評価やエルゴメータを用いて運動誘発性の評価なども行う場合があります。

 

 

喘息に関する活動

2011/10/29 第5回市民公開講座(愛知県・清須市)

長引くせき・息切れにご用心!ぜんそくとたばこ病について

 

2010/07/17 第2回市民公開講座(愛知県・春日井市)

ぜんそく・COPDとの上手なつきあい方

 

 

日本呼吸器学会のHPへのリンク

 

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